| SatBox スタンドアロン型アマチュア衛星トラッキングコントローラー (2026/09/09) |

ESP32-S3を使用して開発中のSatBox。3.5インチ静電容量式タッチパネルLCDとロータリーエンコーダーを備えています。
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SatBoxとは
SatBoxは、アマチュア衛星通信のために開発しているESP32-S3ベースのスタンドアロン型衛星トラッキングコントローラーです。
PCを常時接続することなく、SatBox単体で衛星の軌道計算、AOS/LOS予測、アンテナローテーターの方位角・仰角制御、無線機のドップラーシフト補正、AOS通知、QSOログ管理などを行います。
これまではSatBoxで無線機のドップラー制御を行い、ローテーターはSatPC32から制御していましたが、2026年9月9日、SatBoxからローテーターコントローラーを直接制御し、AZ(方位角)・EL(仰角)の自動追尾が正常に動作することを確認しました。現在は仮配線で、接続用8芯ケーブルが届き次第、本配線を行う予定です。
Satellite Tracking → Rotator Control → Doppler Correction → Radio Control → QSO Logging
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メイン画面。衛星名、AOS/LOS、方位角・仰角、アップリンク/ダウンリンク周波数、OFFSET、ローテーターとドップラー制御の状態を表示します。
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3.5インチ・タッチパネルLCDと本体操作
フロントパネルには3.5インチLCDと静電容量式タッチパネルを搭載し、操作用のロータリーエンコーダーも備えています。メイン画面には、現在時刻、衛星名、AOS、LOS、AOS時の方位角、最大仰角、現在のAZ/EL、アップリンク/ダウンリンク周波数、通信モード、受信OFFSETなどを表示します。
SatBox本体のLCDとロータリーエンコーダーから、無線機の周波数設定、ドップラー制御の開始・停止、衛星選択、ローテーター制御などを行えます。
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SatBox内部。ESP32-S3を中心にRTC、ローテーター制御回路などを実装しています。写真は試作・仮配線段階です。
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衛星選択とパス予測
「Sat」ボタンを押すと、追尾対象として登録した衛星の一覧を表示します。各衛星について、次回AOSまでのカウントダウン、AOS時刻、LOS時刻、最大仰角(Max El)を確認できます。Web設定では最大10衛星を追尾対象として登録できます。
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衛星一覧画面。FSI-SAT 2、IO-86、SO-50、ISS、FO-29、RS-44、AO-123などの次回パスを一覧表示。
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AZ/ELローテーター制御
SatBoxは衛星の位置をリアルタイムで計算し、AZ(Azimuth:方位角)とEL(Elevation:仰角)の2軸ローテーターを自動制御します。
また、タッチパネルの「Manual Rotor」画面からAZの左右回転、ELの上下動を直接操作できます。ローテーターの位置検出値はWeb画面からキャリブレーションできます。
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Manual Rotor画面。タッチ操作でAZを左右、ELを上下へ動かせます。
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無線機のドップラー制御
衛星と地上局の相対運動によるドップラーシフトをリアルタイムで計算し、無線機の送受信周波数を自動補正します。現在対応している無線機はICOM IC-820Hで、CI-Vインターフェースを使用して制御しています。
FM衛星だけでなくRS-44やFO-29などのリニアトランスポンダ衛星にも対応します。リニア衛星では、実際の受信信号に合わせて調整したRX OFFSETを衛星ごとに保存し、次回以降のパスでも自動的に適用できます。
衛星軌道データの自動更新
衛星追尾に必要な衛星軌道要素(TLE)データとしてNASAALLを使用しています。SatBox起動時および1日1回、自動的にダウンロードして更新します。また、衛星選択画面から手動更新することもできます。
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Webブラウザーによる操作
SatBoxにはWebサーバーを内蔵しています。同じLANに接続されたPC、タブレット、スマートフォンからWebブラウザーでSatBoxへアクセスし、本体LCDと同様の衛星情報を確認しながら操作できます。
WebコンソールからLOCAL/GMT切替、ローテーター制御、ドップラー制御、TIME SHIFT、衛星・周波数情報の確認、QSO記録などを行えます。
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Webコンソール全体。左に地図、右に衛星情報と各種操作を表示します。
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地図表示
Web画面では衛星の現在位置を地図上に表示し、同時にAZ/ELをメーターで確認できます。
数値だけでなく、衛星が現在地球上のどの位置を飛行しているかを視覚的に把握できます。 |

地図部分の拡大。衛星位置とAZ/ELメーターを表示。
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Webコンソール
追尾対象衛星ごとにステータス、AOSまでのカウントダウン、AOS/LOS、AOS時の方位角、最大仰角、現在のAZ/ELを一覧表示します。
周波数選択欄から各衛星のモードや周波数を選択できます。
TIME SHIFT機能では現在時刻を仮想的に進め、これから到来する衛星パスの状態を事前に確認できます。
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Webコンソール部分の拡大。
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セットアップ
WebブラウザーのセットアップメニューからSatBoxの主要設定を変更できます。
設定項目は「ネットワーク」「運用局設定」「衛星選択」「ドップラー」「キャリブレーション」「通知」です。 |

セットアップメニュー。
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ネットワーク設定
SatBoxのホスト名、DHCP、IPアドレス、Gateway、SSID、Wi-Fiパスワードなどを設定します。
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 ネットワーク設定画面。 |
運用局設定
コールサイン、緯度、経度、標高、タイムゾーン、サマータイム、表示言語、グリッドロケーターを設定します。
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運用局設定画面。
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衛星選択
NASAALLに含まれる利用可能衛星から、追尾対象とする衛星を最大10サテライト選択します。この画面からNASAALLの手動更新も行えます。
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 衛星選択画面。 |
ドップラー設定
衛星ごとのアップリンク/ダウンリンク周波数、送受信モード、NORMAL/REVERSE、周波数範囲、トーン周波数など、衛星通信とドップラー制御に必要なパラメータを設定します。
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 ドップラー設定画面。 |
ローテーター・キャリブレーション
AZ/ELそれぞれのセンサーRAW値、電圧、換算角度を確認しながら、使用するローテーターに合わせて位置検出を校正します。
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 ローテーター・キャリブレーション画面。 |
通知設定
衛星のAOSをメールで通知できます。AOSの何分前に通知するか、最低仰角、通知時間帯、SMTPサーバーなどを設定します。
最大仰角が設定値未満のパスは、メール・音声・自動追尾・ドップラー制御の対象外にすることができます。 |
 AOSアラート設定画面。 |
スマートフォンAOSアラーム
専用のSatBox AOS Alertアプリをスマートフォンにインストールすると、SatBoxから追尾対象衛星のAOS時刻と最大仰角を取得し、指定した時刻にアラームを鳴らすことができます。
AOSの何分前に通知するか、最低仰角、アラームを鳴らす時間帯を設定できます。この機能はSatBoxとスマートフォンが同一ローカルエリアネットワーク内にある場合のみ機能します。
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SatBox AOS Alertアプリの設定・同期画面。
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AOS時のスマートフォンアラーム画面。衛星名、AOS時刻、最大仰角を大きく表示します。
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QSOログ機能
SatBoxには衛星通信専用のQSOログ機能も組み込んでいます。交信後、Webコンソールから相手局のコールサインや通信モードなどを入力して記録できます。
交信データはSatBox内にADIF形式のファイルとSat_logbook.dbデータベースとしてローカル保存します。また、保存したデータをLoTW(Logbook of The World)、Club Log、eQSLへアップロードできます。
過去の交信記録はWebブラウザーから検索・表示でき、UTC日時、コールサイン、衛星、モード、バンド、送受信周波数、国などを一覧表示します。
ログ機能は現在Windowsのみ対応しています。 |

過去のQSO検索画面。交信履歴を検索し、QRZ.COMやLoTWへのリンクも表示します。
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SatBoxが目指しているもの
SatBoxは単なるローテーターコントローラーやドップラー補正装置ではなく、PCに依存せず、アマチュア衛星通信に必要な機能を1台へ統合することを目標に開発しています。
現在では、衛星軌道データ取得 → パス予測 → AOS通知 → 衛星選択 → AZ/ELアンテナ自動追尾 → 無線機ドップラー補正 → 衛星通信 → QSOログ記録 → LoTW / Club Log / eQSLへのアップロード、という一連の運用をSatBoxを中心に行えるようになりました。
※現在、無線機の自動制御はICOM IC-820Hに対応しています。SatBoxは現在も開発中であり、機能・画面・仕様は今後変更する場合があります。
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